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お酢の酸で乳酸菌やビフィズス菌は死んでしまう?

乳酸菌は一般的に酸に弱いものが多いため、お酢との相性が悪いと思われがちです。もしお酢によって乳酸菌が死んでしまうなら大問題です。お酢と乳酸菌を一緒に摂ることは良くないのでしょうか。

健康効果の高いお酢

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「お酢は体に良い」とよく言われますが、巷では黒酢やリンゴ酢などのさまざまな種類のお酢飲料を目にします。
お酢は日本で最も歴史の長い調味料の一つです。多くの料理に使われ、食欲増進効果があることから夏バテ予防などに重宝されてきました。

お酢に含まれるクエン酸は疲れの元である乳酸を分解します。仕事やスポーツの後に飲むことで疲れが摂れるのはこのためです。
さらに近年ではダイエット効果、血圧を下げる作用、血中コレステロールを下げる作用、血糖値を下げる作用など、さまざまな健康効果が認められ注目されています。

お酢・胃酸・胆汁酸の違い

お酢

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お酢は糖類を含む穀物や果物などの食材をアルコール発酵させた後、酢酸発酵させて作ります。お酢の主な成分は「酢酸」と呼ばれる刺激臭と強い酸味を持つ弱酸性の液体です。
酢酸は自然界にも広く存在する最も身近な有機酸であり、純度が100%に近いものは冬になると凍結することから氷酢酸とも呼ばれます。
お酒を放置すると発酵して酸味が生まれることから、昔からその存在が知られていました。市販されている一般的な食酢には酢酸が3~5%程度含まれています。
分かりやすく言うと酢酸を薄めたものが私たちが口にするお酢なのです。また酢酸は体内では糖、アミノ酸、脂肪などを代謝することでも作られる成分です。

胃酸

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これに対して胃液はpH(数字が小さいほど酸性が強くなる水素イオン濃度を示す)で1~1.5程度の強酸性であり、塩酸とタンパク分解酵素(ペプシン)が含まれています。
この胃液に含まれる塩酸が胃酸と呼ばれる強い酸で、乳酸菌、特に動物性乳酸菌の大敵なのです。私たちの体は胃の中を一定以上の酸性に保つことで、食べ物の消化やそれに含まれる菌の殺菌を行っています。

胆汁酸

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乳酸菌のもうひとつの大敵が胆汁の主成分である胆汁酸です。胆汁酸は肝臓でコレステロールを原料に作り出されたステロイド化合物です。
強い界面活性作用があり、水に溶けない脂肪酸や脂溶性ビタミン、コレステロールなどの脂質と結合することで、水のように親和させて、脂質の消化吸収を促しています。
胆汁のpHは7前後であり完全なアルカリ性ですから、乳酸菌にとっては無害なように思えます。しかし、胆汁酸は強力な殺菌効果を持っているため、生きた乳酸菌にとってはとても厄介な存在なのです。
そのため乳酸菌はいろいろな消化液の中でも特に胆汁酸に弱いと言われています。

乳酸菌やビフィズス菌はお酢の酸で死ぬことはない

私たちが普段から口にするお酢はとにかく酸っぱいというイメージですが、pHは3程度でそれほど強い酸ではありません。
先述したようにお酢の主な成分は酢酸ですが、少量ではあるものの乳酸菌も含まれています。それもそのはず、お酢の原料である穀物や果実には乳酸菌のエサである糖が豊富に含まれています。
自然界に存在する乳酸菌はこの糖を目当てにお酢が作られる早い段階に入り込みます。しかし、お酢に含まれる糖の大部分は発酵でアルコールに変わってしまうため、せっかく入り込んだ乳酸菌は酢の中で増えることができません。そのため、含まれる量も僅かなのです。
いずれにしても乳酸菌はお酢の中で生きることができるため、お酢の酸で乳酸菌が死ぬということはありません。

お酢と乳酸菌は相性が良い

乳酸菌とお酢はそれぞれの働きで腸内環境を整える

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お酢と乳酸菌は同じ発酵食品ですが、それぞれ異なる微生物によって作られています。だからと言って、お酢に含まれる微生物と乳酸菌やビフィズス菌が相性が悪いということはありません。

乳酸菌は糖を分解して乳酸を作り出し腸内環境を整える作用があります。胃酸や胆汁酸で死滅してしまっても腸内で善玉菌のエサとなることで増殖を助けます。
腸内で善玉菌が活性化されて悪玉菌が抑制されることで、便秘や下痢、お腹のハリ、腹痛といった症状が改善されます。

一方、お酢は胃や腸を刺激することで、食べ物を移動させながら排出に導くぜん動運動を促す作用があります。さらにアミノ酸などの有機酸によって腸粘膜をコーティングし、酢酸によって腸内の悪玉菌の増殖を抑制してくれます。

整腸効果に相乗効果が生まれる

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つまりはお酢と乳酸菌を組み合わせることで、より早く善玉菌を活性化することができ、さらに高い整腸効果が期待できるというわけです。
そしてお酢と乳酸菌の相乗効果によって便秘が改善されると、悪玉菌によって腸内に溜め込まれた老廃物の排出が進み、ニキビや吹き出物といった肌荒れが改善されて美肌へと繋がります。また善玉菌が活性化されることで、食べ物の消化吸収が促進され代謝も上がることから、ダイエット効果も期待できます。

お酢とヨーグルトも相性が良い

クエン酸がカルシウムの吸収性を高める

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ヨーグルトとお酢も相性が良い組み合わせです。牛乳から作られるヨーグルトには豊富なカルシウムが含まれていますが、お酢に含まれるクエン酸にはカルシウムの吸収を高める作用があるため、ヨーグルトとりんご酢や黒酢などの組み合わせはとても良いのです。
女性は妊娠や出産によって骨粗しょう症になりやすくなるため、カルシウムを効率的に摂れるこの二つの組み合わせはおすすめです。

お酢とヨーグルトはアレンジしやすい

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ヨーグルトと一緒に黒酢やりんご酢を一緒に飲んだり、ヨーグルトにちょっと加えるだけでも良いのですが、「お酢が苦手」「お酢をそのまま飲むのはちょっと」という方は、ちょっとアレンジしてみましょう。ヨーグルトはそのまま食べるだけでなく料理に材料としても使えます。
手作りマヨネーズにヨーグルトを加えるとさわやかな味わいになりカロリーも抑えられ、ポテトサラダや野菜サラダのドレッシングに最適です。
ほかにもお酢に果物を漬け込んだものをヨーグルトにトッピングするなど、いろいろなレシピがありますからぜひ試してみてください。

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